市美展陶芸の部、写真の部始まりました。
昨日から、第47回いわき市民美術展覧会陶芸の部、写真の部が始まりました。3月18日まで開催します。
市長賞、議長賞、教育長賞を受賞した作品と審査員の講評を紹介します。審査員は陶芸の部は、藤原郁三(陶芸家)氏、写真の部は鈴木一雄(写真家)氏です。
市長賞:芳賀明美《風と葉》
「いわき市長賞の芳賀明美さんの《風と葉》という作品は、遠目からもひときわ目立っていました。手前の丸筒を重ね合わせた形と、後ろの角柱を斜めに傾けた形とのコントラストが明解で、大胆さと繊細さを兼ね備えたインパクトの強い作品に仕上がっています。」
議長賞:阿部新一《御影練込焼締花生》
「議長賞の阿部新一さんの《御影練込焼締花生》はシンプルで、小さい作品ですが、土の厚みがかえって効果的で確かな造形力を感じました。又、淡い色の土を重ねた練込みで成形していますが、それが地層の様に感じるのは、土の塊から掘り出した厚みがあるからこそだと思います。小さくても大きさを感じる作品に仕上がっています。」
「教育長賞の荻野イチ子さんの《彩2018》は、陶芸作品として完成度の高い作品です。球状の形に直線的な意匠が良くマッチして、蹴鞠のような可愛らしさもあります。唯、何処かで見たような作品の感が否めないのは少々残念です。今後の独創性を期待します。」
「一次審査のときから、私の視線を引き付けて離さないインパクトが宿っていました。一匹の小さなカニが被写体なのですが、強い磁力で私を見つめているのです。題名を見ると、《夜明けの散歩》でした。
夜明けのドラマを感じさせるローキー調の表現、小さなカニを大胆にアップで描いたレンズワークなどどれも見事ですが、何といっても小さな生命の躍動感と物語性をとらえた視線が秀逸です。岡さんが八十代半ばと知り、さらに驚かされました。」
「選ばれた被写体は、枯れたたばこです。おそらく、この被写体に感動してカメラを向けることのできる人は、なかなかいないでしょう。しかしながら、この作品から放たれる強烈な刺激は、まさに作者の好奇心と感動があってのものなのです。つまり、<晩夏>という心象風景を心でとらえた太田さんの感性が、この独創的な作品を生み出しているのです。」
「長年にわたっていろいろなフォトコンテストの審査をしてきましたが、このような場面は初めて見ました。国宝の五重塔の雪下ろしは、まさに命がけです。命綱をつけながら必死で雪下ろしをする三人の存在が、五重塔の高さや大きさ、存在感を知らしめています。画面構成とフレーミングもしっかりしていますが、高速シャッターでとらえた降雪と落下する雪の表現も見事です。」
みなさんのご来館をお待ちしております。