いわき市立美術館 Iwaki City Art Museum

1984年、福島県いわき市の街中に開館。戦後の現代美術を主な収蔵品として、コンパクトながらパワフルな活動を展開しています。日ごろのあれこれを発信中!

平成30年度企画展情報

平成30年度の企画展の情報をホームページにアップしました。エリック・カール展、追悼特別展 高倉健、美術館に行こう!ディック・ブルーナに学ぶモダン・アートの楽しみ方、写真家がとらえた昭和のこども、峰丘展など。次のページをご覧ください。お楽しみに!

http://www.city.iwaki.lg.jp/www/contents/1001000005268/index.html

市美展陶芸の部、写真の部始まりました。

昨日から、第47回いわき市民美術展覧会陶芸の部、写真の部が始まりました。3月18日まで開催します。

市長賞、議長賞、教育長賞を受賞した作品と審査員の講評を紹介します。審査員は陶芸の部は、藤原郁三(陶芸家)氏、写真の部は鈴木一雄(写真家)氏です。


市長賞:芳賀明美《風と葉》

いわき市長賞の芳賀明美さんの《風と葉》という作品は、遠目からもひときわ目立っていました。手前の丸筒を重ね合わせた形と、後ろの角柱を斜めに傾けた形とのコントラストが明解で、大胆さと繊細さを兼ね備えたインパクトの強い作品に仕上がっています。」


議長賞:阿部新一《御影練込焼締花生》

「議長賞の阿部新一さんの《御影練込焼締花生》はシンプルで、小さい作品ですが、土の厚みがかえって効果的で確かな造形力を感じました。又、淡い色の土を重ねた練込みで成形していますが、それが地層の様に感じるのは、土の塊から掘り出した厚みがあるからこそだと思います。小さくても大きさを感じる作品に仕上がっています。」


教育長賞:荻野イチ子《彩2018》

「教育長賞の荻野イチ子さんの《彩2018》は、陶芸作品として完成度の高い作品です。球状の形に直線的な意匠が良くマッチして、蹴鞠のような可愛らしさもあります。唯、何処かで見たような作品の感が否めないのは少々残念です。今後の独創性を期待します。」


市長賞:岡 光明《夜明けの散歩》

「一次審査のときから、私の視線を引き付けて離さないインパクトが宿っていました。一匹の小さなカニが被写体なのですが、強い磁力で私を見つめているのです。題名を見ると、《夜明けの散歩》でした。
夜明けのドラマを感じさせるローキー調の表現、小さなカニを大胆にアップで描いたレンズワークなどどれも見事ですが、何といっても小さな生命の躍動感と物語性をとらえた視線が秀逸です。岡さんが八十代半ばと知り、さらに驚かされました。」


議長賞:太田昭子《晩夏》

「選ばれた被写体は、枯れたたばこです。おそらく、この被写体に感動してカメラを向けることのできる人は、なかなかいないでしょう。しかしながら、この作品から放たれる強烈な刺激は、まさに作者の好奇心と感動があってのものなのです。つまり、<晩夏>という心象風景を心でとらえた太田さんの感性が、この独創的な作品を生み出しているのです。」


教育長賞:柏舘 健《国宝を守る》

「長年にわたっていろいろなフォトコンテストの審査をしてきましたが、このような場面は初めて見ました。国宝の五重塔の雪下ろしは、まさに命がけです。命綱をつけながら必死で雪下ろしをする三人の存在が、五重塔の高さや大きさ、存在感を知らしめています。画面構成とフレーミングもしっかりしていますが、高速シャッターでとらえた降雪と落下する雪の表現も見事です。」

みなさんのご来館をお待ちしております。

平櫛田中賞受賞の安藤栄作さんも出品


安藤栄作《空気のはざま》

市美展彫塑の部の招待作家である安藤栄作さんは、昨年、第28回平櫛田中賞を受賞しました。今回の市美展でも招待作家として出品しています。「空気のはざま」という題名ですが、自然光の入る美術館の空間を浄化するかのように立ち現れています。

第47回いわき市美展絵画・彫塑の部オープンしました

本日から、市美展絵画・彫塑の部がオープンしています。

審査は、佐治ゆかり氏(郡山市立美術館館長)にしていただきました。

三賞受賞作品と審査員の講評を紹介します。


いわき市長賞 髙木武廣《標本箱シリーズ「思索する無意識」》
いわき市長賞の髙木武廣さんの《標本箱シリーズ「思索する無意識」》は、圧倒的な物質性と
秩序化によって、「無意識」の手触りや質量を逆説的に表出していて、作品群の中でも存在感が
ありました。「思索する時」までも造形化しているようです。】


いわき市議会議長賞 佐藤吉尚《秋の頃》
いわき市議会議長賞の佐藤吉尚さんの《秋の頃》は、幕末明治期の精密な工芸作品を本歌取り
した感は否めませんが、大らかな虫たちの造形が作者のこだわりとユーモアを醸しだしていて、
今日的な表情を持っています。】


いわき市教育委員会教育長賞 佐々木寿子《She has a pure heart》
いわき市教育委員会教育長賞の佐々木寿子さんの《She has a pure heart》は、一見、著名な
現代作家の影響を強く思わせますが、柔らかな色調と丁寧な画面作りは、この作者ならではの世
界観を滲ませていて、独特の魅力を持っています。】

展覧会は3月4日(日)までです。みなさまのご来館をお待ちしております。

第47回いわき市民美術展覧会書の部オープンしました

昨日、第47回いわき市民美術展覧会書の部がオープンしました。

審査は、書家の遠藤昌弘氏にしていただきました。

三賞受賞者の方の作品と審査員の講評を紹介します。


市長賞:樋田静流「大盂鼎之一節」
審査員講評:「市長賞は金文の臨書である。2 尺7 尺縦の紙面に、金文の鍛えられた運筆と文字の配置の紙面構成は見事で、今回の最高賞とした。」


議長賞:阿部嶋泉「島崎藤村の詩」
審査員講評:「議長賞は漢字かな交じり作品である。2 尺7 尺縦の紙面に、運筆がよく慣れて停滞がなく、紙の白がうつくしい。惜しくも第2席となったが次作に期待したい。」


教育長賞:臺 麗子「鶯」
審査員講評:「教育長賞は仮名の創作作品である。2 尺7 尺横の料紙に、よく筆が動き回
転が効いている。後半の運筆を控えめにすると余韻が残ると思う。」

書の部は2月18日(日)までです。休館日は13日(火)です。

みなさまのご来館をお待ちしております。

新年もいわ美のワークショップ!いわき市小中学生版画展の関連イベント

今年も残りわずか。皆さまいかがお過ごしですか?
旧年中はたくさんの方にいわき市立美術館にお越しいただき、誠にありがとうございました。
2018年もますますパワーアップして良い展覧会やイベントをお送りしていきますので、
どうぞよろしくお願いします。


さて本題ですが、
年明け早々1月5日(金)からいわき市小中学生版画展が開催されます。
それにともない、関連イベントもパワー全開!

戌年にちなんで民話に登場する巨大犬を作る『播磨のめっかい』、アリオスからパフォーマンスチームが侵入!?んまつーポスによる「めいれいどおりすすめ!アリオスから市立美術館に進入せよ!」、イラストレーターむらかみひとみさんと作るほっこり版画、そして手ぶらで立ち寄れる版画体験コーナーと盛りだくさん。

皆さんはどれに参加しますか?美術館でお待ちしています!



◆実技講座「厄除け!!新聞紙とガムテープで巨大犬『播磨のめっかい』」

○日時 平成30年1月6日(土)『小学生1日』コース 10時〜15時
              (満員のためキャンセル待ち)

         7日(日)『自由参加』コース 10時〜正午、13時〜15時

○会場 1階ロビー 

○講師 関口光太郎(造形作家)

○内容

『小学生1日』コース    
新聞紙を使ったゲームなど素材と親しむ活動の後、参加者全員で新聞紙やガムテープを使って民話に登場する巨大犬「播磨のめっかい」を作ります。

『自由参加』コース 
正月飾りの他好きなものを新聞紙とガムテープで作ります。

○定員・対象・参加費

『小学生1日』コース 15名・小学生・無料(満員のためキャンセル待ち)
『自由参加』コース 定員なし(ただし材料がなくなり次第終了)・3歳以上
(ただし、幼児は保護者同伴)・無料

○応募方法 12月12日(火)から電話で申し込み受付。先着順で定員になり次第締切り。



◆春を祝うコンサート&パフォーマンス

あそび工房スペシャル いわき市立美術館×いわきアリオス連携事業
んまつーポス「めいれいどおりすすめ!アリオスから市立美術館に進入せよ!」

○日時 平成30年1月8日(月)15時10分〜15時30分

○会場 常設展示室ほか
    作:チーム んまつーポス
    演出:高橋るみ子(振付家/宮崎大学教育学部)、んまつーポス
    美術:樺島優子(テキスタイルアーティスト/宮崎大学教育学部
    出演:豊福彬文、みのわそうへい、児玉孝文、仁田晶凱

○参加費 無料



◆わくわくアートスクール〜版画を楽しもう〜

○日時 平成30年 1月20日(土) 『リノリウム版画』コース 12時30分〜16時30分
                 →空きがございます。

        1月21日(日) 『スチレン版画』Aコース 10時〜正午
                 (満員のためキャンセル待ち)                『スチレン版画』Bコース 13時〜15時
                 (満員のためキャンセル待ち)
○会場 実技講習室

○内容

  『リノリウム版画』コース 
   彫刻刀でリノリウム板を彫った後、刷り上げ版画を制作します。

  『スチレン版画』コース 
   鳥の形のスチレン板に身近な素材で模様をつけ版画にします。

○講師 むらかみひとみ(絵本作家、イラストレーター)

○定員・対象・参加費

  『リノリウム版画』コース 15名・小学5年生以上・無料→空きがございます。

  『スチレン版画』コース 各10名・3歳以上(ただし、幼児は保護者同伴)・無料
              (満員のためキャンセル待ち)

○応募方法 12月12日(火)から電話で申し込み受付。先着順で定員になり次第締切り。


◆かんたん!版画 体験コーナー

フロッタージュとステンシルでオリジナルカードをつくろう!

○日時  会期中毎日

○場所  1階ロビー特設会場

○参加費 無料

○受付  随時

「ロートレックとベル・エポックの巴里ー1900年」で部活動


開館直後から市内の中学校の美術部の生徒さんたちが来館し、「ロートレックベル・エポックの巴里ー1900年」を鑑賞しています。30分ほど時間をさいていただき、展覧会の概要や常設展の展示案内をさせていただきました。


顧問の先生は、「ロートレックの線が大好きなんです!」
生徒さんたちも、先生のお話を聞きながら、作品に見入っていました。ロートレックの良さ…解ってくれたかな?

みなさん、気になる作品をスケッチしたり、メモを取ったり、新聞記者なみの熱心さで取材中。当時のファッション、お祭りの様子に足を止める人、巴里の風景画、あるいはミュシャの作品をスケッチする人。中には、ロートレックシャンソンの表紙絵という渋い作品に見入る人もいました。
ベル・エポックな巴里が、皆さんのベル・エポックな時間になってくれますように…。