いわき市立美術館 Iwaki City Art Museum

1984年、福島県いわき市の街中に開館。戦後の現代美術を主な収蔵品として、コンパクトながらパワフルな活動を展開しています。日ごろのあれこれを発信中!

公開制作・体験講座「技!筆づくり」

4月25日(土)、筆職人阿部悠季先生をお迎えし、公開制作・体験講座「技!筆づくり」を開催しました。

阿部悠季先生は、精毛から筆の仕立てまですべての行程を行う東京都の画筆工房「清晨堂」の職人です。

まず、最初にスライドを使って、筆の歴史、原材料、製造工程のレクチャーがありました。

阿部悠季先生です。

みなさん熱心に聞いています。

会場には、清晨堂製の筆、筆の歴史を語る資料、筆の材料がならべられています。


良質な材料を求め中国にまで出かけていくそうです。


レクチャーの後は実演です。
筆づくりは、数多い行程と時間がかかる作業です。


毛を組んだり、混ぜたりと8つの工程を経て、筆の毛の部分「穂首」の完成です。
この後に、「穂首」に糸を掛けたり、焼き締めをしたり、竹軸に接着するなど、8つの工程を経てやっと1本の筆が完成しました。

さあ、この後はいよいよ参加者による実習です。今回作るのは、「天然則妙(中)」。「穂首」に糸を掛けることから竹軸に接着するまでの行程を体験します。

糸掛けの作業を、先生が説明します。美大生でも苦戦する作業らしいです。

金鏝で、焼き締めをしています。
この後、いくつかの工程を経て完成です。完成した筆にみなさん満足そうでした。

最後に、清晨堂で作っている様々な種類の筆の試し書きをしました。

参加者は、良質な筆のすばらしさを実感していました。